百澤望

ユニバーサルデザインの洋服デザイン・販売 Alive

《 事業概要 》

この事業は難病、障がいなどを抱えながら生活をしている方へ「着やすく、着せやすい、そしておしゃれを楽しめるユニバーサルデザインの洋服」をオンラインで販売・提供することにより、ユーザーのQOLの向上を図ることを目的としています。また、難病や障がいを抱える方と一緒にブランドを立ち上げることで、社会との繋がりを保ち、「活きて」生活が出来ることを願っています

《 経歴・想い 》

 私の夫はALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気で2019年11月に他界いたしました。
ALSは運動ニューロンが死滅してしまい、自身の筋肉を動かすことが出来なくなってしまいます。発症すると、手脚が動かなくなり、歩けなくなるだけでなく、話す事、食べること、そして呼吸をすることが出来なくなってしまいます。
私は、夫がALSを発症するまで、ALSという病気を知りませんでした。しかしALSの夫との生活をブログに書いている中で、たくさんのALS当事者の辛さ、哀しさ、諦め、進行への恐怖を知りました。また、私自身が身体中、ひとつも動かすことが出来なくなってしまった夫を、24時間介護し、そして旅立ちを見送ったことで、ALSと向き合う介護者の大変さ、他の家族との折り合い、制度やサービスの不足点などを身に沁みて感じてきました。
ALSという病気は生きようと思えば、生き続けられる病気です。
しかし、私たちが日常当たり前に感じ取っている「活きる」という活力や高揚感、誰かの役に立つ喜びを味わうことが難しい面もあります。
それは、「介護される」「生かされている」と、全て受け身での生活になってしまうことが一因でもあります。
私は、夫の他界後、どうしたらALSと生活している方々が、困難な状況であっても前を向いて活きていけるかということをずっと考えていました。 そこで、「介護されやすいような服」ではなく、「おしゃれも楽しめるユニバーサルデザインの洋服」を制作・販売をしようと思いました。
制作するためには、ALS当事者の意見が重要です。いま、ALS当事者2名、多系統萎縮症のご遺族と4名でデザインを考えています。 意見を聞くためにALS当事者に関わってもらったのですが、ALS当事者の方も「目標をもって生きることができるようになった」と、デザイン会議を楽しみながら参加しているようです。
多くの障がいや病気と共に生活している方のQOLの向上と、そして生きがいを見つけるためにも、ユニバーサルデザインの洋服ブランドAliveの立ち上げていきたいと思っています。